アレルギーを持っている方にとって、食事は特に気を使うもの。アレルギーの原因となる物質はさまざまな食品に含まれているため、気がつかないうちに食べてしまわないよう注意が必要です。実は、アレルギーがないと思っている方でも、気づかないうちにアレルギー症状を起こしている可能性があるのです。腸内環境を整えるということを常に念頭にアレルギー対策をしたいですね。
アレルギーとは
私たちの体は、病原体の侵入から守る「免疫」という働きによって、健康が保たれています。現代では、この免疫システムが、本来は害のない食べ物や花粉などに対して過剰に反応してしまう人が増えています。特定の物質を免疫が「これは有害な物質だ」と勘違いしてしまうと、その物質を攻撃してしまい、健康に影響を及ぼすことがあります。このように、本来健康を守るための反応が過剰に反応し、かゆみやくしゃみ、炎症といった症状を起こしてしまうことを、アレルギー反応といいます。
アレルギーのなかでも多いのが、食品が原因物質(アレルゲン)となる食物アレルギー。人によってアレルゲンは異なりますが、乳製品や卵、グルテンなどで反応を起こす人が特に多いといわれています。アレルゲン物質を摂取すると、アレルギー症状を発症してしまうため、口にするものには日ごろから注意が必要です。自分の体にとって、食べてもよい食品と食べられない食品を正しく理解し、安全に食べることが大切です。
とある有名テニスプレーヤーが小麦アレルギーに気づき、グルテンフリーな食生活に切り替えたところ、みるみる成績が上がり、世界ランク一位まで登りつめたそうです。
アレルギー、本当にありませんか?
自分はアレルギーとは無縁だと思っていても、実はアレルギーを抱えている可能性があります。便秘や下痢を繰り返しがちだったり、頭痛が多かったりする方は、「遅延型アレルギー」が疑われます。
多くの日本人が抱える「遅延型アレルギー」
遅延型アレルギーの特徴は、アレルゲンを摂取してからすぐに症状が出ないこと。時間が経過してから発症するため、気づきにくいといわれています。遅延型アレルギーというものがあること自体を知らなければ、なかなか発見しにくいでしょう。
遅延型アレルギーは、日本人の約7割以上もの人が抱えているのだとか。中でも乳製品による発症率が高いのです。じわじわと症状が進行するため、自分が乳製品アレルギーと気づかずに、乳製品を摂取し続けてしまうケースが多く、慢性化しやすいようです。慢性的にアレルゲンを摂取するということは、それだけダメージを継続的に受けることになり、これは、腸漏れの原因になることもあります。
「腸漏れ」とは
腸内環境が乱れると、腸の粘膜の細胞と細胞の間にすき間が生まれます。このすき間から、本来は通ることができない大きな分子であるペプチドやたんぱく質が漏れてしまい、血液中に流れでてしまいます。この状態を「腸漏れ」と呼び、この流れでた分子によって、アレルギー反応が起こると考えられています。
植物性乳酸菌でアレルギー対策を始めよう
アレルギー対策として活躍するのが、植物性乳酸菌です。大豆の発酵食品や漬物などに含まれる植物性乳酸菌を摂取し、アレルギー対策を始めてみませんか?
乳酸菌がアレルギー症状を緩和
アレルギー症状が起こる原因は、アレルゲンを摂取した際に生まれるIgEというたんぱく質。IgEが過剰に増えるとアレルギー症状が強くなってしまうため、これを増やさないように気をつけることがアレルギー対策につながります。実は、乳酸菌にはIgEの生産をおさえる働きがあるといわれています。そのため、乳酸菌がアレルギー予防に役立つと考えられているのです。(ただし、乳酸菌をとっているからアレルゲンである食べ物を摂取してもいいということではありません。医師と相談するようにしましょう。)
乳酸菌といえばヨーグルトやチーズといった乳製品の印象が強いかもしれませんが、これらは動物性乳酸菌です。漬物や納豆、みそ、しょうゆ、日本酒など、さまざまな日本食に植物性乳酸菌が数多く存在します。こうした食品を毎日の食事に取り入れることで、乳製品アレルギーの方でも、安全にアレルギー対策をすることができるでしょう。
植物性乳酸菌でアレルギーに負けない体に
腸内環境、アレルギーにお悩みの方は、植物性乳酸菌をとり、アレルギー対策をしてみるのはいかがでしょうか。アレルギーという意識がなくても遅延型アレルギーである可能性はあります。日本人の多くが当てはまるといわれる遅延型アレルギーから体を守るためにも、植物性乳酸菌は強い味方になるでしょう。また、アレルギーの有無は検査しなければわかりません。気になる方は医療機関での検査をおすすめします。
ポイント
過酷な環境でも働く植物性乳酸菌は、アレルギーに負けない体へと導いてくれます。