年齢を重ねるほどに、思うように結果が出ないダイエット。それは体の代謝に関係しています。二十歳前後をピークに落ちていく代謝ですが、そもそも代謝が落ちると、なぜ痩せにくくなってしまうのでしょうか?年を重ねても代謝を落とさずキープするコツはあるのでしょうか?
ダイエットのカギともいえる、体の代謝を高める方法について紹介します。
年齢とともに代謝が落ちる
代謝と呼ばれる反応には、「新陳代謝」と「基礎代謝」の2種類があります。しかし、実はこの2種類の代謝は全く別の物なのです。
新陳代謝は細胞の生まれ変わりに必要な活動で、古くなった細胞を排出し新しい細胞が生まれるサイクルを指します。肌や髪の毛は新陳代謝が活発なほど、みずみずしく若々しい印象になります。新陳代謝は見た目に影響を及ぼす、老化のバロメーターといってもよいでしょう。
一方、基礎代謝は生命を維持するために、必要なエネルギー消費活動のこと。生きるためには、無意識のうちに体温調節や呼吸、内臓活動などがなされています。こうした生命活動にエネルギーを使うのが、基礎代謝です。そしてダイエットに関係する代謝は、こちらの基礎代謝を指します。
誰もが同じように繰り返す生命活動ですが、基礎代謝は個人によっても年齢によっても差があるのが特徴です。特に年齢を重ねることで、基礎代謝は落ちる傾向があります。基礎代謝が落ちると、消費するエネルギーも少なくなるため、太りやすくなるというわけです。
腸内環境が代謝低下の一因に
基礎代謝が落ちる原因のひとつに、腸内環境が関係しているといわれています。腸は食べ物の栄養を吸収して、その栄養を血液に乗せて全身に届けるための大切な器官。腸内環境が悪化すると、このサイクルが滞ってしまうために、栄養が全身に届きにくくなり、さらに体も冷えやすくなります。体が冷えると、エネルギーをため込もうとするために、基礎代謝が下がりやすくなります。さらに腸内環境の悪化は便秘症状も引き起こします。便秘は、ぽっこりおなかとなって見た目にも影響するうえに、腸内で有害な成分が発生して毒素を溜め込むことにもつながります。毒素が体をめぐっていては、新陳代謝も下がり、老化を進めてしまうことになるのです。腸内環境を整えることは、ダイエットはもちろん、若さをキープするためにもとても大切なことなのです。
腸内環境を整えて目指せ、代謝アップ
腸内環境を整えるための第一歩は、食生活の改善です。食物繊維が豊富な食材や乳酸菌を含む食品などをとることが、腸内環境の改善に役立つことはご存じですね。お漬物等の発酵食品、野菜を積極的に食べ、暴飲暴食や外食を控え目にするなど、まずは日ごろの食生活の改善を心がけましょう。
そしてもうひとつ大切なことは、体を温めることです。腸の蠕動(ぜんどう)運動を高めて腸内環境を整えるためには、冷えは禁物です。さらに体温が上がることは、エネルギーの消費を促して基礎代謝アップにつながります。体を温めて腸内環境を整えるために、適度な運動はもちろん、次のような習慣を心がけてください。
体温を上げるための習慣
薄着を避ける
特に寒い季節は、薄着が体温の低下に直結します。下半身の冷えは血行の停滞を招き、腸の働きにも影響するので、室内でもレッグウォーマーやひざ掛けなどを利用しましょう。
ストレッチ
ストレッチは全身の血行を促進して、体を温めるのに役立ちます。特に就寝前のストレッチは、体が温まるので入眠しやすくなるというメリットも。健やかな睡眠は、自律神経を整えて腸内環境を正常化させるうえでも大切なポイントです。
湯船につかる
38度くらいのぬるめのお湯に20分程度入ることで、体が芯から温まります。半身浴でも大丈夫ですが、冬場は上半身が冷えないよう、肩にタオルをかけるといった工夫を。
温感製品を活用する
意外と侮れないのが、温感製品の活用です。カイロや腹巻きでおなかの周囲を温めれば、腸の動きも整いやすくなります。
冷え対策は毎日のちょっとした心がけが大切。特に脂肪は、冷えやすく温まりにくいという特徴があるため、まずは体を冷やさないように注意しましょう。
健康な腸で、太りにくい体を!
一時しのぎの食事制限で体重を落としても、体そのものが健康でなければ意味がありません。健康で美しいスタイルを長くキープするためにも、まずは腸内環境を改善して基礎代謝アップを目指しましょう。
ポイント
年齢を重ねるほどに痩せにくくなるのは、代謝の低下が関係しているからです。また、代謝を低下させる原因となっているのが、腸内環境の悪化です。おなかの調子を整えることは、太りにくい体づくりの第一歩です。